PUBGは、iOS/Android用アプリ「PUBG: NEW STATE」のオンラインプレスカンファレンスを実施した。

目次
  1. ゲームの概要と主な機能
  2. オリジナルの機能やロードマップを紹介
  3. サービスの計画と方向性について
  4. チート対策について

「PUBG: NEW STATE」は、PUBG STUDIOSが「PUBG」の経験を継承して開発したバトルロイヤルゲーム。モバイルの限界を超えた次世代グラフィックで、近未来を舞台にした新たなバトルロイヤルを楽しめる。本カンファレンスでは、本作のグローバルリリース日が2021年11月11日に決定したことが発表されたほか、ゲームの概要や新たな機能などの情報が公開となった。

ゲームの概要と主な機能

リアルな次世代グラフィックを実装

本作は、アンリアルエンジンを駆使して、PCゲームのグラフィック技術を積極的に活用することで、モバイルグラフィックの限界を超えることに成功。動作ロジックの並列処理や物理エンジン、操作感、端末の過発熱など最適化にも注力し、最高のグラフィックを最も滑らかなフレームレートで楽しめる。

また、8平方kmのオープンワールドマップ「Troi」や、さまざまな衣装を重ね着できるレイヤーシステムが実装。Androidの場合はGalaxy S7のような従来のデバイスや2GBのRAMを搭載したデバイス、iPhoneの場合はiPhone 6S以上からプレイ可能だ。

モバイルでPC版のアクション性とガンプレイを再現

また本作では、PC版のリアルなガンアクションをそのまま再現。弾道システムやリコイルパターン、挙動や物理演算に関してもPC版の感覚で楽しめる。また、リアルになったことで操作が難しくなってしまうのではという懸念に対しては、入力遅延を最小化する方法を開発し、操作感を劇的に改善。初心者は入りやすく、ガンプレイや操作を極めることで実力が出るようにしているとのこと。

PUBGのバトルロイヤルルールを継承し、さらなる深みを与える新機能を追加

チームプレイに重点を置き、さまざまな戦略がとれるような新機能が追加。詳細は後述する「オリジナルの機能やロードマップを紹介」の「ルールの変化」をチェックしよう。

オリジナルPUBGの未来にあたる2051年におけるNew Stateという新たな世界

本作の舞台は、PUBGの後の時代である2051年。中央政府からの統制が失われた無政府状態の<崩壊した未来>と呼ばれる時代を背景に、さまざまな葛藤が生まれている「Troi」という都市が謎の集団の侵攻を受け、バトルロイヤルの激戦地となる、というストーリーとなっている。ストーリーは、毎月公開されるストーリーミッションや各陣営のキーパーソンを通して、一つずつ明らかになっていく。

また「Troi」は、本作専用のバトルロイヤルマップとなる。8平方kmの広大なオープンワールドマップであり、モバイルゲームの限界を超えたリアルなグラフィックと物理演算を備えているほか、10の巨大なランドマークがマップ全体に配置されている。

オリジナルの機能やロードマップを紹介

車両

本作は近未来を舞台としているため、電気自動車が主な移動手段として登場。加速が早く、より安全な移動が可能だが、ブルーゾーンではバッテリーの消耗が激しくなる。全ての車両にはトランクがあり、物資を収納してチームで安全にアイテムを交換可能。また、ドアは遮蔽物として利用できる。

他にも、「偵察ドローン」や「設置型シールド」などが追加。新たな戦略や選択肢が生まれる。

「銃のカスタマイズ機能」と「ドローンストア」

本作では銃器をカスタマイズし、その仕組みや性能に変化を与えることができる。カスタマイズは全てのメイン銃器で可能。毎月アップデートされ、銃器の使用傾向に偏りがないようにするとのこと。

ドローンストアは、マップ上で獲得した「ドローンクレジット」でアイテムを購入すると、指定した場所にドローンが配送してくれるシステム。チームメンバーと一緒にドローンクレジットを集めれば、より高価なアイテムを購入することもできる。ただし、ドローンのせいで自分の位置がバレたり、ドローンを撃墜されて配送物を盗まれたりすることもあるので注意が必要だ。

ルールの変化

物資ではなく、追加の援軍を要請するアイテム「グリーンフレアガン」が登場。追加の援軍とはマッチ中にすでに死亡した味方であり、味方の奮闘ぶりを観戦していた人に、もう一度チームに戻って共に戦えるチャンスがある。

「リクルートシステム」では、自分のチームに空きがあれば、敵だったプレイヤーを自分のチームに勧誘できる。対戦相手は申し出を拒否して死を選ぶことも可能。今までのバトルロイヤルでは経験できなかった、全く新しいポテンシャルを秘めた機能になるという。

追加マップ

本作初のオリジナルマップである「Troi」に加え、PUBGの原点である「Erangel」を本作でプレイ可能。Erangelは主な特徴を維持しつつ、一部の地域についてはバランス調整と強化が施されているほか、今後のアップデートを通じて2051年のバトルグラウンドへと徐々に変化していく予定となっている。

4対4のチームデスマッチが導入

本作ではバトルロイヤルに加え、4対4のチームデスマッチも楽しめる。左右対称のマップである「Station」で対戦チームを殲滅させるモードだが、さまざまな銃器を試しながら、プレイヤーのガンプレイスキルを向上させるコンテンツとして企画しているという。また、FPSジャンルにおける伝統的なモードも導入予定だ。

リリースと同時に提供される最初のマップは、8×8のバトルロイヤルマップである「Troi」「Erangel」、4対4のチームデスマッチマップである「Station」、そして「Training Grounds」の計4つとなる。またバトルロイヤルモードではFPPとTPPの両方の視点が用意されており、SOLOやSQUADを選択可能だ。

ロードマップ

マップやモード

今後のアップデートでは、PUBGの既存マップを本作に統合することと、新たなオリジナルマップを作成することを優先していくという。また、従来のFPSゲームに存在する伝統的なモードも一部実装予定だ。

なお、期間限定のコラボモード専用のマップ開発もあるかもしれないが、あくまでPUBGの基本であるバトルロイヤルの改善に主軸を置くとのこと。

銃器

本作の世界に溶け込む個性的な銃器も追加予定。同時に、PUBGの既存の銃器も取り入れられる。これらのアップデートでは、定期的に新規のアタッチメントやカスタマイズが追加。また、全体的なバランス調整も定期的に実施される。

シーズン

本作では、8段階で構成されるランクシステムが採用される。各シーズン終了後、2ヶ月ごとにリセットが行われる。リリース後の最初の2か月間はプレシーズン期間となる予定。今後のアップデートは最高ランクのプレイヤーに各シーズン終了時に行われるオンライントーナメントへの参加資格が与えられ、各地域のトーナメント優勝者・優勝チームには名誉ある報酬が支給される。

なお、上位プレイヤーのみが参加するのではなく、あらゆるレベルのプレイヤーが参加しやすく、楽しめるような大会コンテンツも企画中とのこと。

ゲームバランス

世界中のユーザーがプレイしたマッチから得られる膨大なデータをもとに、マップや銃器、マッチメイキングなどゲームバランスの改善に継続的に取組んでいくとのこと。データでは把握できない側面についても意見を傾聴し、改善していくという。

サービスの計画と方向性について

現在、本作の事前登録者数は5,000万人を達成している。全てのプレイヤーに完全なゲーム体験を提供すべく、リリース時点では17か国語に対応。対応言語は徐々に追加予定だ。

また、アメリカ、日本、タイ、インドを含む9つの地域事業本部を中心に各地域にローカルスタッフを配備。韓国の本部をハブへと発展させることで、全てのプレイヤーとのコミュニケーションを強化していく予定とのこと。

さらに、クリエイターと共に成長していく独自のパートナープログラムとして、「A-SQUAD」と「Hall of Fame」を設置。プレイヤーコミュニティとの窓口に発展させていくという。公式パートナープログラム「A-SQUAD」では、共にコンテンツを制作してファンとのコミュニケーションを実現することでゲームやコンテンツ、プレイヤー間の絆を深め、独自のコミュニティ文化を創造していくとのこと。

チート対策について

本作では、チートツールの制作を難しくするため、耐タンパー技術の適用と共に迅速なチートツールの探知を目的としたアンチチート領域でさまざまな準備が行われてきた。ゲームコードはリバースエンジニアリングを困難にするためコードを難読化。チートツールの攻撃ポイントとなりうる脆弱性を修正することで、リリース初期からチートツールの開発が困難な環境を作るよう努めたという。

また、金融アプリやサービスで採用されるものと同レベルの耐タンパーソリューションが導入。そのソリューションに対しても疑似ハッキングや改ざんを試行し、迂回策を防止できるよう修正が加えられている。

さらに、ゲームの公平性に悪影響を及ぼす可能性のあるエミュレーターは、ユーザーをブロックする政策を維持。キーボードとマウスを使用するプレイヤーを特定する技術も適用され、該当デバイスでは適切にゲームをプレイできないようにする対策も実施予定だ。

運営面ではプレイヤーとのコミュニケーションを積極的に行い、コミュニティやSNSから寄せられるチート関連の意見やフィードバックにも引き続き耳を傾けるほか、公式SNSチャンネルで定期的にBANなどの状況を発表予定。チーターの再流入抑制および隔離、アカウントセキュリティについても長期的に補完していく予定で、再流入防止や即座に正規のプレイヤーと見分けをつけて隔離する方法も考えていくとのこと。

加えて、安全なゲーム環境作りの一環として、2次パスワード、OTP、2要素認証など、プレイヤーのアカウントを保護するための手段も準備される予定だ。

最後に、本作に関する質疑応答の時間も設けられた。いくつかの質問をピックアップしてお届けしよう。

――「PUBG: NEW STATE」と既存のバトルロイヤルゲームの最大の違いは何ですか?

モバイルゲームの限界を超えたグラフィックと物理演算で、モバイル環境においては最もリアルなバトルロイヤルを体験できることです。PUBGでのリアルなアクションとガンプレイを「PUBG: NEW STATE」で楽しめます。

バトルロイヤルジャンルでの違いを一言で要約すれば、「共に戦え・終わるまで決して諦めるな」ということになるかと思います。バトルロイヤルでは最後まで戦場に残った者が勝利と大きな感動を手にしますが、それ以外の99人はただ空しく死亡するということがほとんどです。「PUBG: NEW STATE」では、グリーンフレアガンとリクルートシステムなどの新機能により、プレイヤーがもう一度戦場に復帰できる機会をより多く得られるようにしてあります。

また「PUBG: NEW STATE」での勝利のためには、協力プレイがより一層重要となっています。プレイヤーはドローンクレジットを一緒に貯めてより良い補給物資を購入できるほか、偵察ドローンでチームのために情報を集めたり、設置型シールドでダウンしたチームのメンバーを助けたりするプレイも可能です。

このようにユニークな機能がたくさん用意されているので、実際にプレイしてみると同ジャンルの他のゲームとはまったく異なるバトルロイヤルを体験できると思います。

――現在サービス中の「PUBG: MOBILE」との市場競合についてどう考えていますか?

「PUBG: MOBILE」を、PUBGをモバイルプラットフォームに適した形で移植し迅速に制作したことで世界的な成功を収めたタイトルだとすれば、「PUBG: NEW STATE」は高いクオリティーと新しい世界観で、新たなルールのバトルロイヤルをお見せする、新作に近いものです。また、「PUBG: MOBILE」のそのカジュアルなゲームプレイが長所だとすれば、「PUBG: NEW STATE」の長所はよりリアルで奥の深いコンテンツだと言えるでしょう。それぞれの長所とユニークさがはっきりしており、市場でも十分共存できると思っていますので、競合することで互いにデメリットが生じることはそこまで心配していません。

バトルロイヤルはモバイルプラットフォームで既に大成功を収めてきました。時が経つにつれメジャーなタイトルから離れたプレイヤーや、新しくバトルロイヤルを経験するプレイヤーにとって、「PUBG: NEW STATE」が良い選択肢になることを願っています。「PUBG: NEW STATE」は高いクオリティーとその独創的なゲーム性やコンテンツで、新しい市場を創出したいと考えています。

――「PUBG: NEW STATE」はPUBGの続編のようですが、「PUBG: NEW STATE」のコンテンツは全く違う方向に進むのか、それとも2つのタイトルを繋げるコラボなどを考えているのでしょうか?

PUBGとの差別化をどのように図るかについては、常に検討しています。「PUBG: NEW STATE」はPC版をベースに開発されましたが、数えきれないほどの議論と試行錯誤を経て、現在のバージョンが形作られました。リリースする「PUBG: NEW STATE」のバージョンは、スタートラインに立つことができた、というものだと考えています。

長期的な計画では、PUBGから適切なコンテンツを移植すると共に、「PUBG: NEW STATE」独自のオリジナルマップやコンテンツをリリースすることを考えています。そして継続したアップデートを通じて、徐々に「PUBG: NEW STATE」ならではの全くユニークな姿で仕上げることで、PUBGフランチャイズの新たな作品として進化させることが私達の目標です。したがって「PUBG: NEW STATE」はリリース日から1年ほどが経てば、コアな戦略、銃のメタ情報、ユニークなゲーム要素を取り入れるなどで、現行バージョンとは全く異なる新しい形のバトルロイヤルとなっていることでしょう。

――PCやその他のプラットフォームに展開する予定はありますか? ない場合は、エミュレーターでのプレイに対応する予定はありますか?

現在はモバイルでのリリースと安定したサービスの提供に注力しています。特に、公正なゲーム環境実現のために、チート対策には力を入れています。他プラットフォームへの展開は大きなチャレンジであるため、チート対策システムとサービス品質において開発チームの満足できる結果が出た際に検討する予定です。そのため、エミュレーターだけでなくマウスなどの外部デバイスもブロックし、チート対策を強化していく予定です。

我々の最優先事項は、モバイルプレイヤーの皆様にゲームを楽しんでいただくことですので、公正かつ安定したゲーム環境を作るために、出来る限りの努力をして参ります。

NEW STATE MOBILE

KRAFTON

iOSアプリiOS

  • 配信日:2021年11月11日
  • 価格:基本無料

    NEW STATE MOBILE

    KRAFTON

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2021年11月11日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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