スクウェア・エニックスが2022年に世界同時配信を予定しているiOS/Android向けアプリ「聖剣伝説 ECHOES of MANA」。11月16日から11月24日までの期間で実施されたクローズドβテストのプレイレポートをお届けする。
本作は、WFSが開発する「聖剣伝説」シリーズのスマートフォン向けアクションRPG。本作オリジナルキャラクターと歴代「聖剣伝説」シリーズのキャラクターが作品の枠を越えて登場し、新たな物語が楽しめる。
世界を救うマナの剣士として「聖剣伝説」シリーズの世界を巡る
ゲーム開始直後のチュートリアルには、さっそく「聖剣伝説3」のキャラクターの1人、ホークアイや神獣ゼーブルファーが登場。バトルの基本操作を学ぶと、プレイヤーはマナの女神に聖域へと招かれる。ちなみに冒頭でプレイヤーキャラクターの外見を決めることになるが、選ばなかった側のキャラクターもメインストーリーに登場する。
プレイヤーは「マナの剣士」としてマナの樹と繋がる記憶を巡り、滅びてしまった世界を救うための聖剣を見つけなくてはならない。こうして、マナの女神が生み出した“ひつじ”と共に「実の世界(エコーワールド)」へと旅立つことになる。
プレイヤーは旅の途中でピンズタウンという場所を訪れ、ダッフル、ハニカムといった少年少女に出会う。この地にはおとぎ話として、マナの剣士とそれを守る2人の騎士の冒険譚が伝わっている。しかしマナの剣が刺さっていたと伝えられる台座は実在しており、ただの物語ではない。
さらに、この物語の中でマナの剣士を邪魔していた「黒檀の騎士」のような謎の黒い騎士も登場。黒檀の騎士はほかの記憶の世界まで執拗に追いかけてきて、何が何でも聖剣の入手を阻止しようとする。今回プレイできた範囲では何故そこまで聖剣やマナの剣士にこだわるのか不明だったので、どんな背景があるのか気になるところだ。
こうして聖剣を探すうちにランディ、プリム、ポポイと出会う「聖剣伝説2」の世界、ホークアイやリースと出会う「聖剣伝説3」の世界へも訪れることに。これらの世界にはもちろん聖剣が存在しているが、異なる世界の聖剣では意味がないようだ。
プレイヤーたるマナの剣士は聖剣を探し、世界を救う使命を帯びているものの、序盤はぼんやりとしていて、どうも周囲に流されているような、はっきりとした意志が感じられずにいた。しかし実際に記憶の世界で聖剣を目にしたり、ダッフルやハニカムといった仲間と冒険したりするうちに、少しずつ「救うべき世界のカタチ」「探すべき聖剣のイメージ」を確かにしている……そんな印象を受けた。
2Dアクションの爽快バトルを楽しもう
本作のバトルは2Dアクションで、バトルフィールドを自由に動き回りながら敵と戦う。画面右下の剣のボタンをタップして通常攻撃を行い、各キャラクター固有のスキル2つはMPを消費して使用できる。HPは緑のゲージ、MPは青いゲージで表示され、黄色いゲージが貯まると必殺技を放てる。さらに、必殺技を放つと画面右上の「特大精霊魔法」のゲージが貯まっていき、最大になると敵に大きなダメージを与えられる「特大精霊魔法」が発動可能となる。
各キャラクターには光、闇、火などの属性があり、敵のHPゲージに表示されている「WEAK」に合わせると効果的にダメージを与えられる。影響があるのは与えるダメージのみで、属性によってこちらの被ダメージが増えることはない。それぞれのキャラクターには属性の異なるバージョンも存在するので、強敵を相手にする際は属性を意識して編成する必要も出てくるだろう。
バトル中は敵の近くに移動するセミオート、攻撃も移動も自動で行うフルオート、すべて手動で行うオートオフをボタンひとつで切り替えられる。序盤はフルオートで問題ないが、ボスともなると広範囲へ攻撃を放ち、特定の方向しかダメージが通りにくいなどの場合がある。セミオートや手動を使い分けつつ、うまく攻撃を仕掛けていこう。
フィールドには宝箱やHP/MPを回復してくれる女神像のほか、ボタンを操作してギミックをクリアする「探索クエスト」もあり、家庭用ゲームで味わったような手応えも楽しめる。
バトルで直接操作できるのは1人、フィールド内に参加できるのは最大3人までだが、パーティ編成ではメインキャラクターとペアになる形でサブキャラクターを3人、計6人まで編成できる。画面左上のキャラクターをタップすると操作キャラクターを切り替えられ、メインで操作しているキャラクターとペアのサブキャラクターも同様にタップで切り替えられる。メインキャラクターが戦闘不能になってしまった場合、サブキャラクターは自動でフロントに出てくる仕組みだ。
キャラクターごとにターゲットの狙い方や戦略、必殺技の使用などを設定できる「作戦」の項目もあるので、それぞれの個性に合わせて調整しよう。バトルで使うと高まる「絆」もあり、レベルが上がると報酬も貰えるので色々なキャラクターを使うのもいい。
キャラクターはストーリーを進める、精霊石を消費するガチャで入手できる。入手時点ではレアリティに差はあるが、どのキャラクターも最大レアリティまで強化できるようになっている。
チュートリアルでは欲しい星3キャラクターが出るまで何度でも引き直しできる限定ガチャを利用できたので、既存シリーズでお気に入りのキャラクターがいればここで狙おう。誰にするか悩ましいプレイヤーには、攻守のバランスに優れた「ヒーロー」や、回復魔法が使えてとても可愛い「シャルロット」がオススメだ。
強化要素としては敵を倒す、アイテムで経験値を獲得して行えるレベルアップのほか、属性ごとに精霊のコインを消費してパラメーターをアップさせる「マナボード」がある。同じキャラクターを素材としてスキルか必殺技のレベルを上げられる「限界突破」や、同レアリティのキャラクターを素材にしてレベル上限の引き上げや新たなマナボード解放が行える「進化」も活用していこう。
クエストをクリアすると装備品を入手でき、キャラクターごとに5つの部位へ装備できる。装備品には同じシリーズを装備すると発動するセットボーナスがあるほか、同じ装備名でもレアリティや「メインオプション」、強化で追加される「サブオプション」の内容が異なる。ゆくゆくはレアリティが高く、オプションの数値や内容が良い装備を厳選することになりそうだ。
また、各キャラクターは「メモリージェム」というアイテムを1人ひとつ装備できる。ステージ開始時にHPやMPが回復したり、スキルダメージがアップしたりなど効果はさまざま。ガチャやメインストーリーのクリアで入手でき、キャラクターと同様にレベルアップや限界突破が可能。物語性のあるイラストが堪能できるものもあるので、コレクションとしても集めたくなる。
メインストーリーなどはAP(アドベンチャーポイント)、育成やイベントクエストはSP(スペシャルポイント)を消費し、1度クリアしたクエストはオート周回が可能となる。装備品の入手にしろマナボードの解放にしろ各種クエストなどの周回は必須だが、オート周回では回数を指定する、自動でアイテムを使ってスタミナを補充するなど細かく設定が行える。バトルには「まんまるドロップ」などお馴染みの回復アイテムを持ち込めるほか、経験値などを増やせるブーストアイテムもある。
ある程度レベルアップや強化が済んだら、ほかのプレイヤーと協力して強大な敵と戦う「マルチクエスト」へ挑戦だ。ルームにはレベルやクリア有無などの条件を設定でき、ルームナンバーを指定すれば知り合いだけで遊ぶこともできる。マルチクエストは専用の編成になり、パーティメンバーは3人までとなる点に注意しよう。メインストーリーを進めると、高難易度の踏破型クエスト「ギャバジンの塔」も解放される。
ひととおり遊んでみたところ、歴代「聖剣伝説」シリーズの手応えやエッセンスを取り入れながら、スマートフォンで手軽に遊べるタイトルとしてしっかり作り込まれていることが感じられた。過去シリーズを知っていれば「これは……!」となるフィールドやイベントシーンもありつつ、オリジナルキャラクターとの絡みで異なる流れが楽しめる。
ガチャで引けるキャラクターの中には「聖剣伝説3」の「ルガー」など敵対関係にあったタイプのキャラクターも登場するので、あえて人相の悪い面々でパーティを組んでみるのも面白いだろう。今回のテストを経て、より遊びやすくなった正式サービス開始を心待ちにしたい。